いま、ひどいものを見た。

◆アマゾンの書評

『センス・オブ・ウォールデン』を発注しようとして、・・・アマゾンの書評で、とってもひどいのを見ました。具体的にどのレビューがどうひどいのかということを書くことは可能ですが、見ればわかることなので、改めて書きません。なんというかバカが伸びやかに文章を書いていて香ばしいですね、というだけの話なのですが、自戒の意味もこめて、少し書きたいと思います。
その昔、私自身、アマゾンに書評を投稿していたのですが、よくよく考えれば、十分な知的能力もなく、専門的な訓練も受けていない人間が書評などとおこがましい行為だったと思います。当時は、自分のような人間にも本を評する資格があるという何の根拠もない自信がございました。もしも、大学を卒業すると同時に、あのような自信を捨てることができなければ、私も水谷英樹学士様のように生きるに堪えない人生を歩んでいたかもしれません。
改めて考えてみると、アマゾンの書評には読むに堪えないものが多く、なかでも、書評をする人間が単に自己陶酔に陥っているだけのものが非常に多いのではないかと思われます。非常に良く売れた本にでもなると、レビュアーがたくさんついて、点数もある程度信頼のおけるものになってくると思われますが、専門書のレビューはほとんど無意味です。
他の専門家から数珠繋ぎで本の評価を眺めていった方が圧倒的に効率よく良書を見つけることができる。たぶん、これが事実です。
専門家の果たせていない仕事を素人にさせようというのは無意味なことなのです。逆に、素人が読むべきベストセラーの(ベストセラーとしての)評価を学者にさせるのも馬鹿馬鹿しい行為なのではないかとも思えるのですが、まあ、どうでもいいです。